松井みどり

元フジテレビアナウンサーで、現在はナレーター、役者、講師、メンタルコーチ。ナレーターとしては、テレビ、ラジオのナレーションなど、声を使った仕事全般に従事。役者としては、「Mido Labo」「家族草子」を始めとした舞台に参加。他に、セミナー講師として、その人を素敵に表現する話し方を伝えたり、「やりたいことがある!」と思っている人をプロコーチとしてサポートしたりしてます

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ショートトークレッスン

内容とまったく関係ない写真ですね…。すみません。今の気分です(^^;;さて、私は今のところトークレッスンはしていないのですが、コーチングを受けていただいている方に期間限定でショートトークレッスンをしています。内容は、以前こちらにも書いた1分間トークがメインです。このレッスンについて、フィードバックをいただきました。まずは、お題をもらって自分の頭の中でそれに合う話を見つけながら、自分という人間を再認識できるということ。トークの中で話していただくことは、ご自分が過去に体験したことがメインになります。ですから、自分がすでに忘れていたことを思い出すことにより改めて自分のものの考え方を見つめ直すことができるのだそうです。2つめはメモを見ながら、要点をまとめて話せるようになったということ。1分間しかありませんから、要点をまとめることが大切。そのためには、わかりやすいメモが欠かせません。どうしたらメモを見ながら自然に話すことができるのか。何度もレッスンを受けるうちに、徐々にできるようになってきたそうです。そして自分のことを話すことが癒しになるということ。自分の経験や考えを話し、それを聞いてもらうことで安心感と癒しを強く感じることができたそうです。この方、最終的にはそこが気に入ってずっとこのレッスンを受けてくれています。これは、実は私は全く想像していなかった部分でした。「これはコーチングセッションですね」とも言ってくださいました。「人に話すこと」って、ものすごい力を持っているのですね。今後、このショートトークレッスンをスカイプか電話で行っていこうかと思っています。・話がまとまらず、最終的に何を言いたかったのかわからなくなる・要点を話せるようになりたい・自分という人間のことをよく知りたい・癒されたいこんなことを考えていらっしゃる方で、もし興味があれば、ぜひご連絡下さい。「お問い合わせ&ご意見」の欄に、ショートトークレッスンについて聞きたいことや、興味がある!と書いていただければ、ご連絡いたします。まずは試しにお話しするだけでも癒されるかもしれませんよ(^^)ショートトークレッスンの詳細を知りたい方はコチラ

言いたいことを100%忘れずに言える人はいません

話をし終わった時、「あっ!あれを話すのを忘れた!」と思ったこと、ありませんか?「せっかくこの話をしようと思ってたのに…」と思い、悔しくなったり、落ち込んだりする方もいらっしゃるかと思います。そうなんですよね。どんなに準備をしていても、原稿を読むわけではありませんから言おうと思っていたことを全て話すことって、ほとんど無理なんじゃないかと思います。私もそういうことはよくあります。「あ~これを言わなきゃ意味が伝わらないのに…」ということも、しょっちゅうです。でもね、これは普通のことなんじゃないかと思います。もちろん、思っていることを全て話し切ることができたら、それはもう、本当に素晴らしいです!自分をほめてあげてください!だけど、いくつか話すことを忘れてしまったとしても、話が普通に終わっていたんだったら、大丈夫。無意識のうちに、この話はいらない、と話す瞬間に思ったのかもしれません。それに聞いている方は、あなたが話すはずだったことを話し忘れたことにはそもそも気が付きません。もちろんその話があったら、さらによくわかってもらえたかもしれませんが、別になかったからといって、問題はないのです。だから大丈夫です。「あ~また話そうと思ったことを忘れちゃった…やっぱり私は人前で話すのが苦手なんだ」なんて思わずに、「まぁ、忘れたこともあるけど、まずまずだったな」と、ペロリと舌を出しましょう。完璧な人なんていません。話そうと思ったこと、実際に人前で話せたことが大切です。…と、私も自分に言い聞かせて今日も話をしています(^^)

自分の当たり前は、他の人の当たり前じゃない

「話すことが苦手だ」という方の中に、「私の話なんて聞いたって、仕方がないでしょう」と思っている方、いませんか?私も、そうでした。以前お話したように、アナウンサーは自分のことを話すことが、あまりありません。それは私にとっては、とても安心することでした。自分のことを話す必要がないってことですから。でも会社を辞めて、人前で話す機会を得た時に、なぜこんな気持ちになるのか、考えてみました。自分では意識していなかったのですが、私は相当自意識が低い、というか、「私のことなんて、誰も興味を持たないでしょ」という気持ちが強かったようです。ある意味、だからアナウンサーになったのかもしれませんね。でもね、「松井さんのこれまでの人生を話してもらうことは、受講生にとてもプラスになります!」と、ある方に言われて自分の過去を話した時、受講生の皆さんに言われた言葉があるんです。「松井さんの生きる姿勢を学ばせていただきました!」「ぶれない生き方が素敵です!」……書いていて滅茶苦茶恥ずかしいですが、本当に、そう言ってくれたんです。自分では、そんな大それたことは全く話したつもりはありませんでした。当たり前の私の過去を、当たり前に話しただけだったのです。そこで気づきました。私の当たり前は、他の人の当たり前じゃないんですね。この考えに至ってから、私の話し方の根本が変わったように思います。まず、名前を丁寧に言うようになりました。私にとっては何百回、何千回と口にしている当たり前の言葉ですが、初めての人には初めて聞く言葉なんですよね。そして、私が経験してきたことを、端折らずに話すようになりました。同じように悩んでいる方にとっては、少しでも役立つことかもしれないですよね。「私の話すことなんて、どうせ興味ないでしょ」もし、そう思っている人がいたらモッタイナイ!それがあなたオリジナルの、素晴らしい経験かもしれません。

強い声が出ない方のトレーニング

雑踏の中で話す時、何度も聞き返されていやな思いをしていませんか?大きな声を出すと喉が痛くなりませんか?強い声、通る声が出る人はそういう時でも聞き取りやすいですね。優しい声は癒されたり、励まされたりするので決して悪くないのですが、広い所で話すことが多かったり、大勢の前で話す必要があったり…という場合にはやはり気になりますよね。そういう時に必要なのは、やはり腹式呼吸で声を出すことです。このブログでもいろいろなトレーニングをご案内してきました。今日は、もう少し原始的な?方法をご紹介します。両足を肩幅に開き、肩の力を抜いて「あー」とアの長音を出します。その時に、折り畳み傘の柄で(平らな物が使いやすいです)みぞおちをリズミカルに押します。すると「あ~あ~あ~」と、傘で押した時に声に変化が出ます。傘を押し返すような気持ちで声を出しましょう。これはちょうど横隔膜があるところを外から物理的に刺激して声を出す練習です。うまくできると、柄で押した時の声に力強い響きがのってきます。横隔膜を動かすことがうまくできない方は、このように物理的に外から横隔膜を動かすことで眠っていた横隔膜を刺激してあげましょう。これは、フジテレビのアナウンサーになった時に、研修で行った練習法です。声ができる環境にある方は、ぜひお試しください。

私は人前で自分のことを話すことが苦手です

3ヶ月ほどブログを書いてきましたが、皆さん、どんな気持ちで読んでくださっているでしょうか?ここまで、なるべく皆さんに役立つ情報をお伝えしようと思い、私自身のことは書いてきませんでした。でも、上から言われてばかりで、ちょっと…と思ってる方もいるかもしれませんね。今日は、私自身が「話す」ということに対して思っていることを書いてみようと思います。私はアナウンサーを13年ほどやっていました。アナウンサーって、一部の人を除くと自分のことを話す機会があまりないんですよね。アナウンサーは普通、ニュースを読んだり、レポートをしたり、番組を仕切ったり、インタビューをしたり…ということが仕事です。何か伝えるべき情報があって、それを正確に伝える、というのがアナウンサーの基本業務だと思います。だから、退社して「松井さんのこれまでの人生を語ってください」と言われた時、本当に驚きました。え?自分のことを話すの?意味ないじゃん、そんなの。私、心からそう思いました。私は人前で自分のことを話すのがとても苦手なんです。こう言うと、必ず「えーっ、だってアナウンサーだったじゃないですか」と言われます。そうです。アナウンサーでした。でも!アナウンサーは自分のことはしゃべらないんです!!……思わず力が入ってしまいました。すみません。でも、本当にそうなんです。今でこそ、エラそうに皆さんに話し方のレッスンなんてしてますけど、私自身が、人前で自分のことを話す、ということについては苦手意識をばっちり持っていたのです。でも、実際に人前に立って自分の過去を話した時に気付きました。「そうか!私はアナウンサーらしく話さないといけない、と思っていたから、話すのがイヤだったんだ」アナウンサーは言葉の使い方を間違えず、キレイな言葉を使って、立て板に水!という感じでつまることなく、噛むことなく話せて当たり前!しかも自分の話を面白おかしく話して笑いを取ったり、感動してもらったりして聞く人の心をがっちりつかむ!ような話ができる…こういう思い込みに囚われていました。私はそんなことはできません。でも、そんなところに囚われず、自分らしく話せたら、それでいいんじゃない?言葉につまったって、噛んだって、笑いを取らなくったって、そんなところに気持がいっても仕方ない。もっと自分らしく話して、伝えたいことに集中しよう!その方が、私が伝えたいことは伝わるはず。……こんな想いで、日々話をしています。だから、皆さんにも、ぜひ自分らしく、話したいことを話してほしい!カッコいい言葉を使ったり、噛まずに話す練習をしたり、どこで笑いを取るか計算したりしなくても、あなたが、あなたの面白い!と思ったことに集中して話せば、絶対に聴き手に届きます!!ですから皆さん!どうぞ、人前で話すことが苦手である、という自分を嫌いになったり、ダメだ!と決めつけたりしないでください!どうしても直したい、変えたいところは変えられるような方法をご紹介します。あなたらしく話す方法は、必ずあります。それを、ぜひ一緒に探していきましょう。

急に話を振られた時は、どうしたらいい?

急に話を振られるのが苦手!という方、多いですよね。特に、初対面の方ばかりが集まる時はものすごく緊張してしまって話せない…。こんな時に、なるべく焦らずに話せるよう、まずはひと言、声を出してみましょう。こんな時に使える一般的な言葉としては、「初めまして。〇〇と申します」があります。「え?こんな簡単なの?」と思われたかもしれませんが、緊張してしまうとこんな簡単な言葉でも、出なくなってしまうのです。しかも言えたとしても、とても早口。「初めまして」はギリギリ聞こえるとしても、お名前になると、もう全く聞き取れなくなる…これでは、聞く方が話についていけなくなってしまいますね。ぜひ、騙されたと思って「初めまして。〇〇と申します」と、ゆっくり、丁寧に、笑顔で言ってみてください。これで3秒くらいだと思います。3秒って、結構長い時間です。その間に気持を整えて、次に話す言葉を探してみましょう。さらに、「今日は、初めての方がたくさんいらっしゃるので、とても緊張しています」と、自分の今の気持ちを伝えることができればこれでまた4秒、時間を使えます。話が上手な人は、こういう何でもないひと言を言っている間に何を言おうか考えているのです。「初めまして。〇〇と申します。今日は、初めての方がたくさんいらっしゃるので、とても緊張しています」ポイントは、ゆっくり、丁寧に、笑顔で!みんな、あなたの話を楽しみにしていると信じて話し始めてみてください。

緊張した時の対処法

人前で話す時、緊張してしまって実力を発揮できなかった、という経験をしたことはありませんか?緊張自体は悪いものではないですし、全くしない、というのも良くないと思っています。でも、緊張しすぎると思ったように表現ができなくなることがあります。そういう時のオススメ。「世界の中で、自分ができる最大限のことをしよう」そう思うだけ。「ベストを尽くそう」「うまくやろう」と考えると自分のことを考えすぎるのだと思います。その点、「世界の中で」と付くだけで、もっと広い視野から自分を客観視することができます。気持ちがスーッと楽になり、自分がやるべきことに集中できるので、結果、パフォーマンスの質が上がります。そしてその時、北極の平原を歩くシロクマをイメージしてみてください。「あなたが緊張しているその瞬間、遠く北極の平原ではシロクマがゆったり歩いているのを忘れないでください」不慮の事故で亡くなった写真家・星野道夫さんがこのようなことを述べていました。あなたが緊張に押しつぶされそうになっている、まさにその時、北極ではゆったりと時間が流れ、シロクマが歩いていることを意識してみましょう。気持ちがさらに楽になります。緊張した時、追い込まれた時にぜひお試しください。

あなたの声を磨きましょう

皆さん、ご自分の声って好きですか?先日SNSで見かけた情報では、日本人の8割は自分の声が嫌いなんだそうです。その理由として、特に女性は日本では「優しい」ということが求められ、その結果、声が本来の音より高くなってしまっているからだ、とありました。そして、自分の声が嫌いだという人の多くは、自分に自信が持てない人なんだそうです。私は基本的には、声も話し方もその人なりのものを大切にしたいと考えています。みんなが同じ声、話し方になる必要はないと思うのです。でも、人と話をしていて、「声の出し方を少し変えたら、印象がぐっと良くなるのに…」と思うことはあります。例えば、店員さんなのに声が小さく、よく聞こえない…という時ですね。自分が持っているものを大切にしながら、さらにブラッシュアップしていくこともとても大切なことなんじゃないでしょうか。でも、「声を出す」ということは誰にでもできる、日常的なこと。あえて、声そのものを改善したい!と思う人はそう多くないように思います。私はアナウンサーとしてフジテレビに入社して3ヵ月間、がっつり研修を受けました。ノイローゼになりそうなくらい大変でしたが、とにかくその3ヶ月で、基礎的なことは全て教えてもらいました。継続してトレーニングする気持ちさえあれば芯のある、よく通る声を手に入れることは、誰にでもできます。ボイストレーニングや、発声、滑舌を学んでコミュニケーションの基本を作る、という考え方がもっと身近なものになればいいのになぁと思っています。

原稿を読む練習4 表現の仕方を考える

原稿を読む練習3で、抑揚の付け方を考えたら、次に考えていただきたいのは表現の仕方です。お客さまに話を伝えるには、やはりお客さまに向けて話す、ということが大切です。具体的には、原稿に目を落としっぱなしではなく、適度に目を上げて、お客さまを見ながら話す、ということです。皆さんも経験があると思いますが、原稿だけを見て下を向いたまま読まれても、自分に向かって話されている気がしないですよね。ですから、適度に顔を上げることが大切になってくるのです。しかし、これがとても難しいんですね。まず「原稿を憶えてもいないのに、顔を上げるのが怖い」そして「お客さまと目が合うのが怖い」さらに「ひたすら恥ずかしい…」と、様々な理由で、顔を上げることを躊躇する方が多いです。まずは「原稿を憶えてもいないのに、顔を上げるのが怖い」という方へ。最初に、原稿は覚える必要はありません。…と、断言してしまいます。なぜなら、私は暗記するのがとても苦手だからです(^^;;ですから、原稿は覚えずに顔を上げる方法をお伝えします。ポイントは原稿を読む練習2でやった、ブロック読みです。これを十分練習していくと、最後の1行くらいは一瞬で、頭と目がざっくり読んでくれるのです。「安倍総理大臣が、各国の記者団を集めて緊急会見を行うということです」という文章があったとすると、ブロック読みをしていくと「緊急会見を行うということです」の1行はパッと見ただけで、覚えられるようになるのです。顔を上げるタイミングは多すぎるとバタバタしているように見えてしまいます。効果的なのは文末です。ですから、最後の1行を顔を上げて話せるようになると、とても自然に見えるのです。次に「お客さまと目が合うのが怖い」という方。わかります。私も、がっつりお客さまの目を見て話すのは苦手でした。でもやっぱり、話す相手を見なければ伝わらない…。そこで、人と人の間を見て話すようにしたところ、かなり苦手意識が改善されました。今では、以前ほど人を見て話すことに苦手意識はありません。詳しくは「話す時に見るところ」を読んでみてください。最後に、「ひたすら恥ずかしい…」という方へ。そうですよね。普段は数人でしか話さないのにいきなり何十人の前で話さなければいけない、というのは大きなプレッシャーです。でも、あなたが話すことで、必ず伝わることはあるはずです。経験していけば自然と身に着くこともあります。ぜひ、自分を信じて話してみてください。話す時の考え方については「MIND」をご覧ください。参考になるものが見つかるかもしれません。今日は長くなってしまいましたが、ここまで来たら、皆さんの話す力はかなりアップしているはずです。自信を持って、発表に臨んでくださいね(^^)

原稿を読む練習3 抑揚の付け方を考える

原稿を読む練習2で言葉をブロックで追って読めるようになったら、すでに内容は伝えられるようになっていると思います。次に考えていただきたいのは抑揚の付け方についてです。具体的には、声のトーン、音の高さ、テンポ、顔の表情、身振り手振りなど変化をつけていくことです。人前で話すのが好き、得意という方はこの技術にたけている方が多いと思います。お客さまの様子を見ながら、自分の話に惹きつけていくのが上手なんですね。一番簡単にできるのは、声の高さを変化させることです。これは原稿を読む時だけではなく、フリートークで話す時にも大切なことですが、大切な言葉は高い声で、ゆっくり話すということです。自然に話している時は、皆さんとても音をダイナミックに変化させていらっしゃるのですが、いざ読む!となると、その抑揚が半分くらいになってしまう方も少なくありません。ためしに、自分では大げさすぎる、と思うくらい高い音と低い音の差をつけて読み、それを録音して聞いてみてください。思ったよりも違和感ないな…と思う方が多いと思います。むしろ、その方が普通に聞こえるのではないでしょうか。とにかく大事な言葉を高くゆっくり話すだけでだいぶ話が伝わるようになります。次回は、もう一歩進めてみましょう。